社会福祉法人三鷹市社会福祉協議会

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令和6年能登半島地震 石川県輪島市災害ボランティアセンター運営支援 派遣報告

2024/8/14

7月17日から23日の7日間、社会福祉協議会関東Aブロックの一員として石川県輪島市社会福祉協議会に派遣され、「輪島市災害たすけあいセンター」で活動してきました。今回の派遣で見聞きした輪島市の状況と輪島市災害たすけあいセンターでの業務について報告いたします。

初日、北陸新幹線の新高岡駅から車で2時間30分程かけ輪島市社会福祉協議会へ向かいました。発災後、能越自動車道は一方通行となっていましたが、17日正午より対面通行が可能となったため、丁度私が派遣されたクールからようやく車が行き交う光景がみられるようになりました。しかし、依然として道路のひび割れや隆起は至るところでみられ、慎重に走行する必要がありました。能越自動車道をおり車を走らせていると、倒壊した家屋が道路まではみ出している様子や斜めになったままの電柱、信号機などが散見され、胸が痛みました。

 

輪島市社会福祉協議会の職員の方が市内を案内してくださったため、いくつか紹介させていただきます。

①輪島朝市

 

大規模火災に見舞われた輪島市の朝市通り周辺の様子です。発災時、消防車が数台駆けつけましたが、地盤隆起の影響で河川の水位が低くなり、十分な水をくみ上げることができなかったために、次々と延焼したと伺いました。現在は、公費解体が始まり瓦礫の撤去作業が進んでいるのに加え、ショッピングセンター内で出張輪島朝市を開催しています。

②輪島港

輪島港は能登半島の北部に位置していて、漁業の拠点として水産業を支えてきました。発災後、海底隆起の影響で水位が低くなり、船のプロペラが海底について回らないため、運航できなかったそうです。写真の貝殻が付着している部分が震災前の水位になりますが、現在もかなり水面が下がっている様子が伺えます。作業を行うために漁船を仮桟橋へ移動させ、海底の掘削による漁業の再開を目指しています。

他にも市内を巡るなかで、震災直後のことを伺ったり、震災当初からそのままになっている状況を目の当たりにしましたが、震災から約7か月が経過した今でも、まだまだ継続的な支援が必要だと強く感じました。

次に、輪島市災害たすけあいセンターでの業務について報告いたします。

輪島市災害たすけあいセンターは中心部の本所、西部の門前支所、東部の町野支所に分かれて、市内3か所に設置されています。一般ボランティアさん、技術ボランティアさん、企業ボランティアさん、労働組合員さん、各地区社会福祉協議会職員等が連携し、日々活動しています。

輪島市災害たすけあいセンターにおけるボランティア活動の流れとしては、まず、ローラー訪問や電話受付等でニーズの掘り起こしを行います。気になることや困りごと等ニーズがある場合には、活動環境・内容の確認として職員もしくはスタッフが現地調査を行います。ボランティアで対応可能な案件については日程調整を行った後、実際にボランティアさんが入り活動を行います。ボランティアで対応不可能な案件については、必要に応じて他団体等につなぎます。

私は、ニーズ掘り起こしのローラー訪問を担当する班に所属していましたが、ローラー訪問は連合(日本労働組合総連合会)さんが担当していたため、主に①訪問に係る書類の準備、②連合さんへ訪問方法の説明、③訪問記録の仕分けとデータ入力、④再度状況確認が必要なケースの連絡調整を担当していました。

状況確認のケースは、❶生活上心配のある方や今後見守りが必要な方(ex.高齢独居の方や不安で睡眠が十分にとれていない方等)、❷ボランティアニーズのある方の大きく2つに分かれ、それぞれ❶輪島市社会福祉協議会の職員と相談の上、ご本人から電話で聴き取るべき内容の確認や一緒に訪問する等の対応、❷ボランティアに依頼する内容やご本人の意向を再度電話で確認し、現地調査の日程を調整するなど対応しました。

訪問記録からは、急を要する依頼なのか、あるいは会話の中の些細なつぶやきなのか判断が難しいところもありましたが、輪島市社会福祉協議会の職員や関係機関の方と相談しながら業務を進めました。

 

一般ボランティアさんは、石川県民ボランティアセンターに登録された方と輪島市民の方で、9時半から10時頃に災害たすけあいセンターに集合します。輪島市社会福祉協議会の職員がオリエンテーションを行った後、ボランティア活動の詳細(依頼内容、必要人員数等)を示し、マッチングを行います。活動場所ごとのグループに分かれ、災害ごみの搬出や落ちた瓦、倒れたブロックの片付け、被災者の仮設住宅入居に向けた準備等の作業を行います。

 

輪島市社会福祉協議会の職員から発災直後の社協の体制も伺いました。電話が通じないために職員同士の連絡ができず、避難所で遭遇するなどして少しずつ確認がとれ、約10日が経った頃にようやく職員全員の安否が分かったそうです。災害ボランティアセンターの立ち上げの必要性を感じていたものの、ライフラインが復旧しておらず困難だったため、まずは情報収集から行ったとのことでした。現在は、社協の通常業務も再開していますが、職員も被災者の一人でありながら、地域の方に寄り添う支援を行っている姿を見て感銘を受けました。

今回の派遣で初めて被災地に足を運ぶ経験をしましたが、現地の状況を目にして、穏やかな日常が自然の脅威によって突然に奪われていく恐怖を痛感しました。輪島市社会福祉協議会の職員から発災時よりだいぶ復興してきていると伺いましたが、それは日々活動してくださっているボランティアや関係機関の方がいるからこその成果なのだと思いました。短い期間での業務だったため、輪島市民の皆さんと直接話をする機会は少なかったのですが、災害たすけあいセンターでの活動に携わり、住民の方の声に寄り添い、ご本人が感じていること、望んでいることを丁寧に受け止め支援していくことの重要性を改めて学ぶことができました。今回の経験を普段の業務に活かすことだけでなく、1月1日のことが風化しないよう輪島市のことを多くの方に伝えていきたいと思います。

三鷹市社会福祉協議会 地域福祉推進係 藤ノ木 彩乃

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